仁科芳雄博士顕彰
科学講演会

 物理学の歴史に日本人が登場するのは20世紀になってからのことです。まずはじめに登場するのは仁科芳雄博士の師である長岡半太郎先生です。1908年に土星型原子モデルを提唱されました。2人目は、1928年に完成した「クライン-仁科の公式」で知られる仁科芳雄博士で、3人目が、仁科博士と深い繋がりのある、中間子論で知られた湯川秀樹博士です。
 
 仁科芳雄博士は、自らも精力的に研究に取り組むとともに多くの研究者を育てて、日本の物理学を世界的水準にまで高めました。日本の物理学の黎明期にひときわ大きく輝いた星であり、日本の物理学者の多くがどこかで仁科芳雄博士に繋がっていると言われています。
 
 資源に乏しい日本が一層の発展を遂げるために、科学技術の振興が欠かせないことはいうまでもありません。若い世代の皆さんに一層科学の感心を持っていただくことを願って、仁科芳雄博士につながる先生方にお願いして開催してまいりましたが、15回をもってひとまず事業終結といたしました。第16回以降は、同様の趣旨で独立行政法人理化学研究所のご協力の下で開催しております理化学研究所里庄セミナーに合流して今日にいたっています。

仁科芳雄博士顕彰科学講演会これまでの記録

第15回:2003年(平成15年)

演題プラズマと私

講師 : 伊藤 早苗(九州大学応用力学研究所教授)

第14回:2002年(平成14年)

演題現代の物質観・・・クォークが拓いた道

講師 : 益川 敏英(京都大学基礎物理学研究所教授・所長・理学博士)

第13回:2001年(平成13年)

演題ニュートリノ天体物理学の誕生

講師 : 小柴 昌俊(東京大学名誉教授)

第12回:2000年(平成12年)

演題精神と物質 - 素粒子とは何かを考える -

講師 : 武田 曉(東京大学名誉教授、東北大学名誉教授)

第11回:1999年(平成11年)

演題原子を見る・つかむ・冷やす

講師 : 江沢 洋(学習院大学理学部教授)

第10回:1998年(平成10年)

演題21世紀の科学の流れ

講師 : 米沢 富美子(慶應義塾大学理学部教授)

第9回:1997年(平成9年)

演題半導体研究と独創性

講師 : 西澤 潤一(半導体研究所長、前東北大学総長)

第8回:1996年(平成8年)

演題相対性理論入門

講師 : 中野 董夫(大阪市立科学館館長、大阪市立大学名誉教授)

第7回:1995年(平成7年)

演題光と計測と科学

講師 : 土屋 裕(浜松ホトニクス中央研究所所長代理)

第6回:1994年(平成6年)

演題宇宙の誕生と素粒子の発生

講師 : 二宮 正夫(京都大学基礎物理学研究所教授)

第5回:1993年(平成5年)

演題固体表面の世界

講師 : 吉森 昭夫(岡山理科大学工学部教授)

第4回:1992年(平成4年)

演題宇宙はいかに生まれたか

講師 : 佐藤 勝彦(東京大学大学院理学系研究科教授)

第3回:1991年(平成3年)

演題電子波が開く世界

講師 : 外村 彰(日立製作所基礎研究所主管研究長)

第2回:1990年(平成2年)
※12月実施

演題我が国の宇宙開発について

講師 : 雛田 元紀(文部省宇宙科学研究所教授)

第2回:1990年(平成2年)
※8月実施

演題郷土の誇り、仁科芳雄

講師 : 江澤 洋(学習院大学理学部長)

第1回:1986年(昭和61年)

演題在りし日の仁科博士

講師 : 西村 純(東京大学宇宙科学研究所長)

この講演会についての講演録は仁科会館にて所蔵しています。
講演会を収録したDVD映像は、国会図書館、県立図書館、里庄図書館にて視聴することができます。

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