講 師
国立研究開発法人理化学研究所理事長
松本 紘 博士
プロフィール
1942年11月17日生まれ。奈良県大和郡山市出身。
京都大学工学部修士課程修了後、京都大学工学部助手として勤務。1987年京都大学教授、2008年京都大学総長などを経て、2015年より理化学研究所理事長。
宇宙空間でマイクロ波を用いた送電技術の実用化など、宇宙科学・宇宙工学に関する研究の業績により、宇宙飛行士ではなく研究者でありながらロシア宇宙航行学協会より「ガガーリン・メダル」授与。そのほかに、紫綬褒章やフランス政府レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ、名誉大英勲章OBE等、数々の受賞・顕彰歴を有する。
講演概要
私達の生活を快適なものにしてきたのは、間違いなく科学技術の力です。それは、今後も変わるものではありません。実際に、20世紀初頭「夢」と思われていた技術の多くは現代社会において実現されています。これらは不便を便利に、不快を快適にとより良い生活を求めて科学技術が進歩してきた結果です。こうして世界を変えてきた科学技術には「普遍性」、「論理性」、「客観性」が備わっています。
しかし、私たち人間は様々な価値観を持ち、ときに感情的で、個々の主観に基づき行動します。多様性にあふれる世界や人生を、科学や技術のみで記述することは不可能ではないでしょうか。
未来社会へ進む私たちは、科学と未科学にどう向き合うべきか、どのような力を身につけて、どのような社会を創るのか、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。