仁科芳雄博士顕彰事業第33回
ロボットコンテスト2025
「多機能ロボでらくらく収穫」
- 令和7年8月31日(日)
- 里庄町立里庄中学校体育館
「ロボットコンテスト2025」は、中学校から16校47チーム、高等学校から4校9チーム、合わせて20校56チームの参加を得て、今年も盛大に開催されました。
今年のテーマは「多機能ロボでらくらく収穫」で、桃・じゃがいも・いちご・まこもたけに見立てたアイテムを運搬・設置してもらいました。今年度は新たな挑戦として、従来の木製ブロックに加え、より小型で軽いスポンジブロックを採用しました。弾力性があるため思いどおりに運ぶのは難しいのではと予想していましたが、設計の工夫と確かな操作で見事に運搬したチームが多く見られ、感心しました。
参加してくれた生徒の皆さんをはじめ、生徒をご指導くださり大会運営にも携わっていただいた中学校・高等学校の先生方、年の初めの企画から長きにわたりお世話になりました審査委員の先生方、そして準備や片づけを担当してくださった多くの方々に、心より感謝申し上げます。皆様の力で、このロボコンは支えられています。
審査委員長講評
審査委員長
岡山県立大学 学長 五福 明夫
皆さん、お疲れ様でした。中学校部門、高等学校部門共に、決勝戦は手に汗握る熱戦で、まだその感動が残っております。中学校部門では両者満点で再試合となりましたが、再試合でも両者満点で規定により早く競技を終えた里庄中学校の「Leo号」が優勝となりました。決勝戦という緊張する試合で最高のパフォーマンスを発揮した「Leo号」および磐梨中学校の「面田山智野介DX号」のチームメンバーの精神力にも感激致しました。また、高等学校部門も満点に近い僅差の勝負でありました。両決勝戦とも本ロボットコンテストの歴史に残る名勝負でした。惜しくも決勝戦に進めなかったロボットもそれぞれ創意工夫があり、参加チームのメンバー全員の努力に敬意を表します。
優勝した中学校部門の「Leo号」、高等学校部門の水島工業高校の「水工エコロ君1号」のチームの皆さん、おめでとうございます。また、その他のチームも自己ベストを出せたのではないかと思います。参加チームの皆さんは、本大会の参加に向けて様々な試行錯誤と努力をされたと思います。この貴重な経験は今後の皆さんの成長に繋がると思います。
さて、本大会では、ロボットの高さの上限を低くしました。これによりロボットが多少小型となりその重量も少し軽くなったのか、走行に苦労するロボットが多かったとの印象でした。また、扱うアイテムの小型軽量化のためにスポンジ立方体を導入しました。スポンジ立方体はその弾力性のために、縦列に並べて取る時の力が強いと弾けてしまいますので、扱い方が難しいのではないかと思っておりましたが、力を加減したり両面テープを使ったりするなどの工夫により、上手に扱っていることに感心致しました。
ここでは、仁科独創賞に輝きましたロボットのみ評価した点を記述します。アイデア賞やチャレンジ賞を受賞したロボットの評価ポイントについては、表彰理由のページをご参照下さい。まず中学校部門の「面田山智野介DX号」は、アイテムの操作機構と複数のレーザポインタでの位置確認機構、また操作者と補助者とのチームワークが素晴らしかったです。また高等学校部門のおかやま山陽高等学校の「山陽機械科2号」は、アイテムの特徴に応じたアイテム操作機構と予選と決勝トーナメント1回戦で満点を出したことを評価致しました。
主催いただきました科学振興仁科財団、里庄町教育委員会には、このような大会を継続的に開催いただいていることにお礼申し上げます。また、参加チームの中学校、高等学校の先生方には、大会の準備や運営におきまして献身的なご協力をいただきましたことに感謝致します。さらに、最後まで熱心に応援下さいました保護者の皆様にも感謝致します。
来年度の開催について加藤町長様にお聞きしましたところ、「もちろん開催します」との力強いお言葉をいただきました。来年度のテーマとルールを検討しながら、今大会のような熱戦と高いパフォーマンスを発揮するロボットに出会えることを楽しみにしております。なお、来年度は里庄中学校の体育館の改修のために会場が変更となる予定です。