演題:原子核のチカラ:核力研究最前線“三体力”に迫る
講師 : 関口 仁子(せきぐち きみこ)先生
独立行政法人理化学研究所
和光研究所仁科加速器研究センター
本林重イオン原子核物理研究室
センター研究員
講演概要
原子核の中で働くチカラ、核力は、湯川秀樹博士が提唱した中間子論により二つの核子(陽子と中性子の総称)の間を中間子という粒子が介在する“二体力”として理解されてきました。ところが湯川理論から70年を経った今、原子核の基本的な性質がこの二体力では説明できない事が明らかになり、新たなチカラ、三体力の存在が注目を浴びています。三体力とは第三の核子が二つの核子のそばに近づく事によって生じるチカラの事。ちょっと妖しい感じがしますね。今回、理化学研究所を中心に切り開いてきた核力研究の最前線“三体力”についてお話させて頂きます。
講演の様子
会場には、中高校生60名はじめ若い世代を中心に一般市民の方が加わりホールいっぱいの120名の参加を頂きました。若い研究者お二人が、深い研究の内容を分かりやすく軽やかな語り口でお話しになり、それに頷きながら耳を傾ける高校生の皆さんの表情が大変印象的でした。短時間でしたが講演後の交流タイムも、研究生活の楽しみや素晴らしさが伝わる感動的なひとときとなりました。