演題:格子量子色力学(格子QCD)で探る素粒子の世界
講師 : 藏増 嘉伸(くらまし よしのぶ)先生
独立行政法人理化学研究所
計算科学研究機構 連続系場の理論研究チーム
チームリーダ
講演概要
私たちが生きているこの世界は、重力、電磁気力、強い力、弱い力の4つの力によって支配されています。
重力や電磁気力は私たちにとって馴染み深い力ですが、弱い力は日常身近に感じることはありません。
強い力は、太陽や夜空の星を輝かせている源であり、私たちの体を構成しているさまざまな分子の中の原子核を構成している力でもあります。強い力を記述する理論は量子色力学と呼ばれ、その主役は物質の基本構成粒子(素粒子)であるクォークとグルーオンです。
格子QCDの目的は時間1次元・空間3次元の時空間を離散化してQCDを格子上に定義し、最先端のスーパーコンピュータを用いて強い力の織り成す極微の世界のさまざまな物質形態を統一的に解明することにあります。
本講演では、素粒子の世界の不思議とそれを究明しようとする基礎科学の面白さをお伝えしたいと思います。
講演の様子
格子量子色力学は、量子論に基づいた量子化学の最先端であり、素粒子であるクオークの力学をやさしく解説していただきました。
内容は、1.科学における計算機の役割 2.素粒子物理学とは? 3.格子量子色力学
謎が多い世界を解明するには、スパコンが重要な役割をしスパコン上で実験でも理論でも出来ないことをシミュレーションを行うことにより解明できる。
印象に残っているのは、直感的に”面白い”と感じるものは発展性があるという先生のお言葉でした。