理化学研究所里庄セミナー

第22回 理化学研究所里庄セミナー

  • 平成25年8月17日
  • 仁科会館
第22回 理化学研究所里庄セミナー
 仁科芳雄博士は、岡山県里庄町が生んだ世界的な物理学者で、日本の原子物理学の父として尊敬されています。
 また、戦後の混乱期には理化学研究所の所長を務めるなど、その生涯を物理学を中心とした基礎科学の振興に捧げました。理化学研究所里庄セミナーは、仁科芳雄博士ゆかりの理化学研究所の研究者を招聘し世界最先端の研究動向や成果を「仁科会館」より発信しています。平成4年にスタートし今年で22回目となりました。今年も中学生をはじめ約100名の方が来場し、講演に耳を傾けました。

演題:オミックス科学が推進するヘルスケア

林﨑 良英先生
講師 : 林﨑 良英(はやしざき よしひで)先生

独立行政法人理化学研究所
社会知創成事業
予防医療・診断技術開発プログラム
プログラムディレクター

講演概要

 少子高齢化は日本が抱える最大の社会問題になっています。健康長寿社会を達成するためには、発症前に予防・予測し、(予防医療: Preventive Medicine、予測医療: Predictive Medicine)、発症前や発症早期に治療介入を行い (先制医療: Preemptive Medicine)、個人にあった薬や治療法を選択する医療 (個別医療: Personalized Medicine) が鍵となります。 医療関係者、患者や研究者を含めた参加型の医療 (Participative Medicine)、さらに、オンサイトで結果を出せるポイント・オブ・ケア医療 (Point of Care) も必要不可欠です。DNA、RNA、タンパク質などの生体分子情報を系統的に解析するオミックス科学の急速な発達により、6P医療が現実化しています。

講演の様子

予防医療・予測医療、先制医療、個別医療が健康長寿社会を達成するためには、鍵となるDNA、RNA、タンパク質などの情報を系統的に解析するオミックス科学についてわかりやすく説明をしていただきました。また、樹脂ケースに入ったDNAとRNAを回していただき、来場者のみなさんは現物を見ることで、よりいっそう興味深く公聴されていました。

演題:異次元宇宙と現実世界

橋本 幸士先生
講師 : 橋本 幸士(はしもと こうじ)先生

独立行政法人理化学研究所
仁科加速器研究センター
橋本数理物理学研究室
准主任研究員

講演概要

 異次元、という言葉を聞いたら、何を思い浮かべますか?UFOや宇宙人のようなSFを思い浮かべる方も多いでしょう。
 実は、物理学では異次元も研究対象であり、我々の住む宇宙が異次元空間を持っている可能性を真剣に研究しているのです。私たちの知る世界は、たて・よこ・たかさ、の3次元空間です。なぜ世界は、2次元や4次元ではなく、3次元なのでしょうか?
 この問いに答えるために、素粒子物理学者は様々な仮説を立て検証しています。本講演では、超ひも理論が取り扱う、「次元」の不思議について、分かり易く解説します。異次元は、すぐそばに発見されるかもしれないのです。

講演の様子

理論物理学研究者とは?冒頭音楽を伴ったビデオを上映され来場者を圧倒。
講演では、私たちの世界は、なぜ3次元なのか。なぜ2次元、4次元ではないのか。物理学では異次元も研究対象であり、次元の不思議について、詳しく解説していただきました。 

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