第12回理化学研究所里庄セミナー開催
平成15年8月23日(土) 仁科会館にて
 お二人の研究者の真摯な姿勢や気迫に触れ、その膨大な情報量とレベルにも関わらず引き込まれるものがありました。高校生から80代の高齢者まで、町内外からの140名を超える参加がありホールがいっぱいになりました。
 医学を志す若者たちの熱心な質問には真正面から答えていただき、高齢者からの率直な発言には心温まる回答をしてくださるなどで、質疑の時間も充実したものとなり、主催者として感謝の限りです。

理化学研究所 脳科学総合研究センター
特別顧問
伊藤 正男先生
演題:「脳科学からの21世紀の処方箋」

 
 少子高齢化と資源の枯渇に向かう21世紀、科学技術の一層の進歩が期待され、それを生み出す人間の頭脳に関心が高まっている。
 複雑な脳の機能を解明してきた脳科学の成果を総括され、臨界期、内部モデルの形成発達障害廊下の等の仕組みといった脳科学の知見から、健やかな脳の発達を促し脳の機能を十分に発揮するための、幅広い示唆に富んだお話を頂いた。

理化学研究所 脳科学総合研究センター
精神疾患動態研究チーム
チームリーダー 加藤 忠史先生
演題:「躁うつ病の脳科学の現状および
    新規ビタミンPQQについて」

 およそ100人に一人が発症し、躁状態とうつ状態を繰り返す「躁うつ病(双極性傷害)」の原因は、脳の機能変化にあると考えられている。
 その原因が細胞内小器官であるミトコンドリア等の内部における分子レベルの変化に起因することを突き止めた過程など、最先端の研究の現場から分かりやすくお話しされ、研究の過程で発見された13番目のビタミンPQQについても紹介された。