財団法人理化学研究所に研究員として入所した仁科芳雄はヨーロッパに派遣され、現代物理学揺籃の渦中に身を投じて量子力学の構築に参画し、「クライン−仁科の公式」の導出によって物理学の歴史に名を残しました。帰国後は、主任研究員に任ぜられて仁科研究室を主宰し、宇宙線の研究・サイクロトロンの製作等、世界最先端の研究を進めて、日本の核物理学を牽引し、日本の現代物理学の父と呼ばれています。
  研究室は、留学中に学んだ自由な討論を手法とするコペンハーゲン精神で運営され、「科学者たちの自由な楽園」と賞賛され、湯川秀樹・朝永振一郎をはじめとする気鋭の研究者を多数輩出しました。
 理化学研究所里庄セミナーは、理化学が研究所の第一線の研究者の派遣を得て、青少年の科学に対する関心を高めるとともに、地元の企業や研究期間との交流を図ることを目的として、仁科芳雄博士のふるさと里庄町において開催するものです。


 「理化学研究所里庄セミナー」の記録

 ■ 第1回 1992年
「究極の光レーザー…X線レーザーへの挑戦」 講師/青柳 克信
「サイクロトロン50年…加速器利用の新展開」 講師/上坪 宏道
 ■ 第2回 1993年
「日本の機械生産技術」講師/佐田 登志夫
「植物生活環の利用制御と植物ホルモン」 講師/高橋 信孝
 ■ 第3回 1994年
「スプリング8」の現地研修(兵庫県上郡町) 講師/上坪 宏道
 ■ 第4回 1995年
「新しい光応用技術」 講師/山口 一郎
「光合成の模倣」 講師/吉良 爽
 ■ 第5回 1996年
「病原体との闘い」 講師/長田 裕之
「エレクトロニクス時代のレーザーの役割」 講師/豊田 浩一
 ■ 第6回 1997年
「ものつくりとコンピュータシュミレーション」 講師/牧野内 昭武
「遺伝子治療とレトロウイルスベクター」  講師/天沼 宏
 ■ 第7回 1998年
「複数のロボットを調整する技術」 講師/浅間 一
「環境ホルモンを分解する微生物」 講師/工藤 俊章
 ■ 第8回 1999年
「計算機で探る宇宙の謎」 講師/戎崎 俊一
「タンパク質の形と働き」 講師/横山 茂之
 ■ 第9回 2000年
「ものの形を見分ける脳のしくみ」 講師/田中 啓治
「脳とコンピュータ」 講師/松本 元
 ■ 第10回 2001年
「ナノテクノロジーとは何だろうか?」」 講師/青野 正和
「ナノテクノロジーから時空間機能へ」 講師/原 正彦
 ■ 第11回 2002年
「脳の仕組みをヒントに新しいコンピュータを創る」 講師/市川 道教
「ロボティクスおよびシステムインテグレーション技術の開発」 講師/川端 邦明
 ■ 第12回 2003年
「脳科学からの21世紀の処方箋」 講師/伊藤 正男
「躁うつ病の脳科学の現状および新規ビタミンPQQについて」 講師/加藤 忠史
 ■ 第13回 2004年
「全部の遺伝子が一冊の本になる」 講師/河合 純
「ゲノム解明の意義と方法および現状」 講師/竹田 忠行
 ■ 第14回 2005年
「新元素(113番元素)の合成>」 講師/森田 浩介
 研修報告「仁科芳雄博士の足跡をたどる旅」 中学生国内・海外研修派遣団研修生9名
 ■ 第15回 2006年セミナー詳細
「X線自由電子レーザー」 講師/北村 英男
「X線構造解析で知るタンパク質のはたらくしくみ」 講師/山下 敦子
 ■ 第16回 2007年セミナー詳細
「植物の細胞戦略:大きな植物を作る
  −エンドレデュープリケーション、細胞を分裂させずに大きくする仕組み−」 講師/松井 南
「サイクロトロンを使った新しい植物誕生物語」 講師/阿部 知子
 ■ 第17回 2008年セミナー詳細
「精密原子分光によるエキゾチックな原子核の研究」 講師/和田 道治
「原子核のチカラ:核力研究最前線“三体力”に迫る」 講師/関口 仁子
 ■ 第18回 2009年セミナー詳細
「クラゲからとれたムチンの奥深い世界」 講師/丑田 公規
「野菜の健康機能成分を作る遺伝子を発見!」 講師/平井 優美
 ■ 第19回 2010年セミナー詳細
「仁科博士から理研RIビームファクトリーへ」 講師/矢野 安重
「人類の未来を創るELID(エリッド)研削法 −ピカピカな表面を削る−」 講師/大森 整
 ■ 第20回 2011年セミナー詳細
「スーパーコンピュータ −速さの秘密と応用分野−」 講師/渡邊 貞
「格子量子色力学(格子QCD)で探る素粒子の世界」 講師/藏増 嘉伸
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