平成17年8月20日(土)仁科会館にて

 今年が世界物理年であることにちなんで、里庄セミナーは物理学分野を内容として開催いたしました。昨年プレス発表された科学史に永遠に残ることになるであろう「113番元素の合成」に関わられた森田先任研究員の講演を頂きました。あわせて、科学振興仁科財団(仁科会館)が毎年実施している中学生国内・海外派遣研修「仁科芳雄博士の足跡をたどる旅」の参加者による研修報告を行いました。
 会場となった仁科会館のホールは、50名を超える高校生を中心に中学生から高齢者まで約160名の参加者の熱気で溢れました。

  

講演:新元素(113番元素)の合成
森田 浩介 先生

1957年生まれ。理学博士。
東京大学原子核研究所勤務を経て、1984年特殊法人理化学研究所に研究員補として入所。
和光研究所サイクロトロン研究室に所属し、同研究室研究員を経て先任研究員となる。
現在、独立行政法人理化学研究所
和光研究所 フロンティア研究システム
重イオン加速器化学研究プログラム
原子核研究技術開発グループ
GARIS開発チーム先任研究員
 
 森田先任研究員は、入所以来21年にわたり、ひたすら超重元素の合成に取り組まれ、昨年春にこれまで確認されている元素の中で一番大きな原子番号をもつ113番元素の発見に成功されました。
 「あなたが所属することになるサイクロトロン研究室は、仁科博士の研究室を引き継いでいる研究室です。」ということばを添えて交付された辞令を、感激と身の引き締まる思いで受けられてから、身震いと感動とともに迎えた新元素合成の瞬間に至るまでの体験を、その時々の思いを交えて一気呵成に話されました。お話を聞きながら、ともに研究生活を過ごしたかのような気持ちになって至福の時を過ごすことができたからでしょうか。途切れることなく若者たちの手が上がり、質疑の時間も盛り上がりました。
 

 


研修報告「仁科芳雄博士の足跡をたどる旅」
平成17年度「中学生国内・海外派遣」研修生一同


 仁科芳雄博士は80余年前、青雲の志を胸に渡欧し、新しい物理学量子力学誕生の現場に立ち会い、その構築に参画した唯一人の日本人として成果を上げられました。
 帰国後も、研究に邁進しつつ、数多くの研究者を育て、日本の現代物理学の父と称えられています。
 中学生国内・海外派遣研修は、その仁科博士が過ごした場に身をおいて励みにすることを目的として、毎年実施されています。

 この研修では、「仁科芳雄博士の生家見学に始まり、生涯を捧げた理化学研究所を経て、ケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所からコペンハーゲン大学ニールスボーア研究所に至る」までの博士の足跡をたどります。
 研修報告では、本年度派遣された9名の中学生による、「仁科博士の姿を追い求めながら、自らの目と耳で確かめた旅」の内容紹介と感想発表が行われました。

仁科博士研究室で
 

再建された小サイクロトロン前で
 

理化学研究所仁科記念棟前で
 

大学構内ボーア博士銅像前で

キャベンディッシュ研究所で

展示されてる実験道具

ニールスボーア博士の居室で