![]() |
平成22年8月21日仁科会館にて |
仁科芳雄博士は、1918年(大正7年)理化学研究所へ研究生として入所し、ヨーロッパ留学を経て、帰国後も研究に没頭し、また、戦後日本の最も困難な時期に、理化学研究所の所長を務めるなど、その生涯を理化学研究所において物理学を中心とした基礎科学の振興に捧げられました。そして、その功績を認められて、昭和21年に戦後初の文化勲章を受章されました。 |
講演1 |
![]() |
講師 |
〔講演概要〕 日本の現代物理学の父といわれる仁科芳雄博士は、日本初となるサイクロトロンを完成させました。2機目のサイクロトロンは第2次世界大戦時にGHQにより東京湾に投棄されましたが、弟子たちにより3機目が完成、現在仁科博士の志を継いだ加速器が理研RIビームファクトリーで稼働しています。 理研RIビームファクトリーとは、2007年に運転を開始した世界最高性能を誇る原子核加速器施設です。原子核物理学における加速器の発展の歩みをたどりながら、現代の加速器技術の到達点と社会への応用について理解を深めていただきます。 |
講演2 |
![]() |
講師 |
〔講演概要〕 私たちの生活には、表面をピカピカでつるつるに削って利用する部品が数多くあります。例えば望遠鏡やカメラ用のレンズ、レーザー用の反射鏡、PCや携帯の電子部品、工具や金型などです。これらにはさまざまな硬質材料が用いられていますが、理研では、こうした材料を早く超精密に加工する新技術:ELID(エリッド)研削法を発明しました。 この技術は、研削に使用するダイヤモンド粒子を含んだ金属結合砥石の表面を、電気分解により金属部分だけを溶かし出し、常にダイヤモンド粒子を砥石表面に突出させることで、効果的に鏡面加工を実現する我が国独自の技術です。ELID(エリッド)研削法の原理や応用について、事例中心にご紹介します。 |