仁科芳雄博士顕彰事業第32回
ロボットコンテスト2024
「集まれ!未来の収穫ロボ」
- 令和6年8月25日(日)
- 里庄町立里庄中学校体育館
「ロボットコンテスト2024」は、中学校から15校44チーム、高等学校から4校6チーム、合計19校50チームの参加を得て、今年も盛大な大会となりました。
今年のテーマは「集まれ!未来の収穫ロボ」で、いちご、じゃがいも、まこもたけに見立てたアイテムを運んで設置してもらいました。まこもたけは数年ぶりの丸棒で回収にも工夫を要する配置でしたが、予想以上にいろいろな工夫を凝らしたロボットがあって感心しました。
参加してくれた生徒の皆さん、生徒をご指導いただき大会運営にも携わっていただいた中学校・高等学校の先生方、年の初めの企画から長きに渡ってお世話になりました審査委員の先生方、そして準備や片づけを担当していただいた多くの方々、皆様の力でこのロボコンは支えられています。深く感謝いたします。
審査委員長講評
審査委員長
岡山県立大学 副学長 五福 明夫
皆さん、お疲れ様でした。ロボコン2024では、「集まれ!未来の収穫ロボ」をテーマに設定致しました。様々なアイデアを盛り込んだロボットと連携を磨いたチームが集まり、熱戦が繰り広げられ、とても嬉しかったです。また、コロナ禍後、徐々に参加チーム数が回復していることも嬉しいことでしたが、各賞の選考は大いに悩みました。
まずは、本ロボットコンテストの運営にご協力いただきました中学校、高等学校の先生方、里庄町教育委員会や仁科会館の皆様に感謝致します。また、激暑の中、最後まで暖かい応援で本ロボットコンテストを盛り上げていただきました保護者や選手のご友人の方々にお礼申し上げます。
さて、熱戦を勝ち切って見事優勝を手にされた、里庄中学校の「Gamtec」号、東岡山工業高校の「東工1」号の皆様、お目出とうございます。また、惜しくも途中敗退の皆様も最後まで諦めずによく頑張ったと感動しています。
さて、今回の印象として、ロボットの故障が例年に比べてやや多かったことが残念でした。競技で悔いを残さないためにも、確実な動作と何回もの競技に耐える機体の設計と製作を望みます。また、女子生徒のロボコン参加への進出が進んでいることも印象的でした。お掃除ロボットやファミリーレストランでの配膳ロボットが活躍し、新たな目的や価値観が求められている状況で、女性の眼からのロボットやものづくりに関するイノベーションが期待でき頼もしく思います。
恒例により、各賞を受賞したロボットの評価ポイントを簡単に説明させていただきます。まず、仁科独創賞です。里庄中学校の「feat」号は、まこもたけを筒状のハンドで収穫する機構が独創的でありましたし、東岡山工業高等学校の「東工1」号は土を排除していちごだけをまとめてとる機構と操作が素晴らしく、まこもたけを上から収穫する仕組みに工夫がありました。次にアイディア賞です。磐梨中学校の「森野山道」号は、まこもたけを収穫して扱う機構に工夫があり、久世中学校の「まにぞう35」号は、まこもたけを収穫するために精緻な仕組みを備えていましたし、玉野商工高等学校の「ヘルメス2024」号は柔らかく収穫するためのベルトを利用したハンド機構にアイデアがありました。チャレンジ賞を獲得したロボットですが、笠岡西中学校の「ちりつもくん」号はアイテム毎に適切に操作するためのハンドを装備することに挑戦していましたし、笠岡西中学校の「RACCOON」号はカップを用いて円錐アイテムを押さえて確実に運ぶことに工夫がありました。総社東中学校の「エンタープライズ」号は単一動作のアームを機敏に操作し、岡山大学教育学部附属中学校の「チャレンジャーV」号は両サイドにアイテムを挟む機構を備えることで、共に高得点獲得に挑戦していました。水島工業高等学校の「水島TEC1」号は、競技直前に電子回路に重大な故障が発生したにもかかわらず、修理を迅速に行い得点を獲得したことを評価しました。
最後に、本ロボットコンテストは来年も開催予定と聞いています。素晴らしいロボットがまた集まることを楽しみにしていますし、挑戦したくなるような競技ルールの設定に、我々審査員団も明日からアイデアを絞っていきたいと思います。