仁科芳雄博士顕彰事業第27回
ロボットコンテスト2019
「ミッション:着水資源を港へ運べ!」
「ロボットコンテスト2019」は、中学校から18校43チーム、高等学校から10校18チーム、合計28校61チームの参加を得て、今年も盛大な大会となりました。今年のテーマは昨年のストーリーの続きで、月面から持ち帰った資源が海面に散らばってしまったため回収するというストーリーにしました。新しい趣向としては、縦長の筒の中のスポンジボールを回収して、プリンカップの中に置くという課題を設定しました。運営側の想定以上に様々な方法でスポンジボールを回収・運搬していて、非常に興味深く観戦しました。
参加してくれた生徒の皆さん、生徒をご指導いただき運営にも携わっていただいた中学校・高等学校の先生方、年の初めの企画から長きに渡ってお世話になりました審査員の先生方、そして準備や片づけを担当していただいた多くの方々、皆様の力でこのロボコンは支えられています。さらに、今年は岡山県青少年財団から助成をいただきました。深く感謝いたします。
審査委員長講評
審査委員長
岡山大学大学院 教授 五福 明夫
皆さん、お疲れ様でした。この競技会を1年間楽しみにしてきましたが、競技会自体はあっと言う間に終わってしまいました。選手の皆さんは実力を発揮できましたでしょうか? ロボットの故障で悔しい思いをしたチームもあったようですが、今回はレベルの高い競技会だったとの印象です。
優勝の里庄中学校「スピードタンク」、高梁城南高等学校「城南電子3号」のチームの皆さん、お目出度ございます。本大会での競技は熱戦続きで、優勝を勝ち取れたことは、素晴らしいアイデアとそれを形にした設計と精度良い工作や操縦練習に加えて、試合の間もロボットの整備などの準備を心掛けた成果と思います。
さて、素晴らしいロボットが多く、どのロボットに賞を与えるかを審査員一同随分迷いましたが、仁科独創賞とアイデア賞に輝きましたロボットそれぞれの受賞理由を簡単に説明致します。仁科独創賞の笠岡東中学校の「HIGASHI」は、ロボットの出来とコンスタントに高得点を獲得する安定性に加えて、中学校部門で最高得点を出したことを評価しました。また、笠岡工業高等学校の「リサイクラー」は、青ブロックや金色缶のハンドリング機構に加えて嘴のようなハンドで赤いスポンジボールを掴む機構が良かったです。アイデア賞については、岡山大学教育学部附属中学校の「No-Line」は、3台の分離型ロボットに挑戦したことと、1人で3台を操作することは難しいと思われますが、得点を獲得したことからインタフェースに工夫があると判断致しました。矢掛中学校の「ロボType令矢」は双腕型ロボットで機能分離するとともにハンド部に工夫がありました。笠岡東中学校の「東ロボミニ」は小型の割に多機能で金色缶の取扱いに斬新なアイデアがありました。高梁城南高等学校の「城南電子3号」は青色ブロックをまとめて取る機構や赤いスポンジボールの吸引機構に加えて金色缶を磁石で扱う機構にアイデアがありました。
選手の皆さんはこれまで大変な努力をされたと思います。競技では嬉しいことや悔しい思いもあったことでしょう。競技や試合では振り返りが大事ですので、是非、良かった点や改良点について文章で表現しておいて下さい。今後の皆さんの成長につながるとともに、何年か経った時にそれを読むことで、自分の成長を実感できると思います。
最後になりましたが、科学振興仁科財団および里庄町教育委員会には本競技会を主催いただきありがとうございました。生徒の皆さんには良く分かっておいて欲しいと思いますが、この競技会は沢山の方々のご支援により運営・開催されています。特に、審判係、進行係、記録係などで協力いただきました各学校の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。また、最後まで熱心に応援いただきました保護者や選手のご友人の皆様にも、感謝致します。