10月28日、埼玉県和光市の理化学研究所(理研)で「仁科芳雄記念室お披露目会」が開催されました。科学振興仁科財団からは加藤泰久理事長(里庄町長)、杉本秀樹常務理事、田主裕一朗理事・事務局長の3名が出席させていただきました。加藤理事長は仁科芳雄博士の生誕地を代表して式辞を述べるとともにテープカットに参加しました。
仁科研究室は、かつて東京都駒込にあった理研に1931年に創設されました。理研が和光市に移転した後も、仁科研究室は建物ごと仁科記念財団などが大事に保存していました。この度、建物が老朽化のため取り壊されることになりましたが、仁科研究室は理研が新たに設置する仁科芳雄記念室に部屋ごと復元されました。
仁科芳雄記念室の壁には、仁科博士の生涯を世界の物理学の潮流とともに紹介する展示や、仁科博士の弟子や孫弟子にあたる研究者を紹介する展示が設置されています。
当財団が展開する仁科芳雄博士顕彰事業を紹介するパネルも常設していただきました。
お披露目会では、仁科博士が使用していた黒板のレプリカをスクリーンとして動画が上映され、出席者は感動的な内容に見入っていました。
お披露目会の最後に、参加者一同で記念写真を撮影しました。
お披露目会の後に開催されたシンポジウム「理化学研究所仁科研究室のキセキ」では、仁科博士の数多くの業績とそれを受け継ぐ最新の研究について紹介され、改めて仁科博士の偉大さを実感しました。シンポジウムはオンラインでも配信され、数多くの聴衆が参加したそうです。
仁科芳雄記念室を設置した建物は、毎年約5000人の見学者が一般公開などで訪れるとの事です。将来を担う多くの若者が仁科芳雄記念室を訪れ、仁科博士の足跡をたどり多くの業績に触れることで、仁科博士の言葉「環境は人を創り 人は環境を創る」が実践されることを願っています。
「仁科会館」屋上屋根防水改修工事の入札経過および結果をお知らせします。
入札年月日 令和4年10月26日
入札場所 仁科会館1階研修室
入札方法 指名競争入札(見積競争)
落札業者 東和工業株式会社
詳しくは「入札経過及び結果表」(PDF)をご覧ください。
安田工業株式会社から、新しい超大型写真パネル(幅5m、高さ2.7m)等をご寄贈いただきました。NASAの探査機が撮影した火星表面の写真で、実際に見るとその迫力に圧倒されます!仁科会館1階の研修室に設置していますので、ぜひ来館してご覧ください。
新しい写真パネルはNASAの火星探査機「キュリオシティ」が撮影した超高解像度の火星表面写真です。臨場感を最大限生かすため、今までの大型写真パネル(幅2.3m、高さ2.7m)から幅5mとさらに大型化したもので、コンセプト考案、デザイン、製作、設置、これらすべてを安田工業が手掛けてくださいました。社長の安田拓人様の起案により「科学技術の素晴らしい力、魅力、それにより人類が実現した夢」を、わかりやすく最大限に伝えることを狙ったとの事です。小惑星探査機「はやぶさ2」の成功も記憶に新しいJAXAが、次の挑戦として有人月面探査や火星探査などを計画していることを念頭に置き、火星表面の写真が選ばれました。
エアバスやマクドネル・ダグラスなどの旅客機用に、7600基以上も製造されたエンジンV2500の「シュラウド」という部品です。精度の高い工作が要求される部品のため、安田工業製の工作機械で作られています。写真パネルの左側に、新たに詳しい解説を付けて展示しています。
新しい展示品として宇宙服のヘルメット部品もご寄贈いただきました。このヘルメットはレプリカではなく、アメリカのエアロック社がアポロ計画用に開発した実物です!写真パネル左の展示ケースで展示しています。
仁科会館の研修室には、スペースシャトルの大型写真パネルと安田工業製の飛行機エンジン部品が、長い間展示されていました。スペースシャトルはすでに退役し写真も退色が進んだため写真パネルの廃棄を考えていたところ、安田工業から新しい写真パネルの設置をご提案いただきました。それにとどまらず、エンジン部品の刷新と説明パネルの追加、ならびに宇宙服のヘルメット部品もご寄贈いただきました。
今回のリニューアルでは、皆様により良く仁科芳雄博士や仁科会館を知っていただけるよう、コンテンツの充実化、スマートフォンやタブレットでの表示の向上を図りました。今後も内容の充実化を進めて参りますので、どうぞよろしくお願い申しあげます。
仁科芳雄博士は1890年(明治23年)12月6日岡山県浅口郡新庄村浜中(現・里庄町浜中)に生まれ、明治38年に生石(おんじ)高等小学校を卒業されるまで、里庄町浜中の生家で過ごされました。仁科芳雄博士が生家で過ごされた当時は、窓からどのような景色が見えたのでしょうか。
古地図を頼りに当時の里庄に遡っていますので、ぜひ仁科芳雄博士の幼少期に思いを馳せてみてください。